広報戦略とは何か?実施手順とポイント、成功事例をまとめて解説

2022.12.05 広報ノウハウ

広報戦略とは、広報活動を行う際のブランディングに必要なプランを立て、実行することです。この記事では、より効果的な広報活動を行いたいと考えている中小・中堅企業の担当者に向けて、広報戦略とは何か、広報戦略のメリットや実施手順、ポイントなどを解説します。あわせて、広報戦略の成功事例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

広報戦略とは何か

広報戦略とは、自社商品の認知度や知名度などを高めるブランディングを推進するために、必要となるプランを設計して実行することです。広報戦略と一口に言っても、企業によって目的は異なります。たとえば、以下のような目的を達成するために広報戦略に取り組むことが多いです。

・自社製品や自社のファンを増やしたい
・SNSなどで情報を拡散してもらい、共感してくれる人を増やしたい
・取引先や株主、従業員などの利害関係者と信頼関係を築きたい

広報戦略の多様化

インターネットの普及により、広報活動の幅は広がりました。従来のようにテレビや雑誌などのメディアだけでなく、インターネットを活用した広報も重要となり、広報戦略も多様化しています。たとえば、SNSでの双方向コミュニケーションやインターネット広告、企業ホームページでの広報活動などが増加傾向にあります。

Webの広報戦略が注目されている

インターネットの発展とともに、Webでの広報戦略がより重要度を増し、注目を集めています。

従来のメディアが衰退

新聞や雑誌、テレビやラジオといった従来のメディアは衰退傾向にあります。インターネットの台頭により選択肢が増えたこと、インターネットのほうが消費者との距離が近いことなどが理由として考えられるでしょう。従来のメディアでの広報は消費者に刺さりにくくなったため、インターネット広告やSNS広告などが活発になっています。

費用対効果の比較

費用対効果を比較して、インターネットが選ばれているという背景もあります。テレビでCMを流す場合は、莫大な広報費用がかかります。しかし、Web広告ならテレビなどよりも費用をかけずに広告を打てます。また、テレビや新聞は広告の効果測定ができない一方で、Web広告は効果を数値化できるため、費用対効果の確認が可能です。

スモールスタートの広告戦略

Web広告は、限られた費用でテスト広告や広告配信を行い、効果があればコストの枠を拡大できます。いわゆるスモールスタートが可能な広告戦略であるため、多額の費用をかけたのに失敗してしまうなどのリスクが軽減されます。また、初期運用コストの少ないSNSを活用した広報活動など、新たな形での広報戦略も生まれています。

広報戦略を行うメリット

ここでは、広報戦略によって得られるメリットを5つ解説します。

時代にあったブランディング構築

計画を立てずに広報活動を行った場合、伝えたいメッセージや内容が伝わりにくい、意図しない受け取り方をされるなど、自社が思い描いていたようなブランディングが難しくなります。一方、戦略的な広報活動の実行により、時代の変化や社会情勢などにあった長期的なブランディングの構築が可能です。

メッセージに一貫性が生まれる

広報戦略によって、企業としてのメッセージに一貫性が生まれます。その時々で異なる内容のメッセージを発信してしまうと、企業の信頼性を損なう結果になる可能性があります。広報戦略では、自社のあるべき姿や発信するメッセージの内容が明確になるため、ブランディングの方針がブレることなく一貫性のある広報が可能です。

広報活動の効果を高める

広報活動は、短期的に取り組むものではありません。継続的な広報活動によって効果を発揮するため、長期的な視点が必要です。広報戦略への取り組みにより、長期的な広報活動のプランを立案し、実行できます。継続的かつ一貫性のある広報活動ができるため、より効果を発揮しやすくなります。

効果測定が実施できる

広報戦略の実施により、広報活動のゴールが明確化されます。目標があいまいだったりゴールを設定していなかったりすると、広告の効果が見えにくくなるでしょう。目標を設定して取り組む広報戦略は、設定した目標と結果の比較ができます。効果測定によって広報活動の課題を発見し、改善につなげることが可能です。

社内理解が得やすい

広報活動に対する社内理解が得られやすくなるのも広報戦略のメリットです。広報戦略では、年間の広報活動プランや実績の数値化など、広報に関する情報を可視化できます。他の部署からも広報活動の取り組みが見えやすくなるため、社内での理解が深まるでしょう。また、他部署からの意見を聞くことができるなど、連携も取りやすくなります。

広報戦略を立てる具体的な手順

広報戦略を行う際には、5つのステップを意識しましょう。ここでは、広報戦略を立てる手順について解説します。

現状分析

まずは、企業や事業の現状把握を行いましょう。現状、どのような経営課題があるのかを洗い出すことが重要です。また、利害関係者となるステークホルダーの調査も行いましょう。ステークホルダーの意見や行動などを把握・分析することで、自社の現状や課題をより把握しやすくなります。現状や課題を把握したうえで、目標を検討します。

広報戦略プラン作成

目的や目標が決まったら、目標達成のための具体的なプランを検討しましょう。目的と自社の現状のズレを把握し、必要な施策を立案します。プランを作成する際には、以下のような項目が必要です。

・広報活動を行う目的や目標
・広報活動で伝えるメッセージ内容
・活動の予算
・広報活動のテーマ

広報戦略プランの実施

プランを実施する際に注意したいポイントは、広報により発信するメッセージと企業のサービスや事業内容、ブランドとの一貫性を持たせることです。メッセージと企業の実態に一貫性がないと不信感を持たれてしまいます。また、情報共有・管理に最新の注意を払い、メッセージの受け取り方を統一させることも重要です。

効果測定・分析

広報戦略は、戦略を立てて実行して終わりではありません。広報活動の効果を測定し、分析を行いましょう。たとえば、イベントへの集客数やメディアへの掲載数、Web広告のクリック率などを測定して、細かな分析を行います。今後の広報活動に活かすためにも、明確な数字を集計する必要があるため、さまざまなデータを収集しましょう。

評価・課題の改善

効果測定・分析が完了したら、目標に対する評価を行いましょう。実施した内容の効果はどうだったのか、アプローチ方法は正しかったのかなどをチェックします。効果測定と分析内容をもとにしながら、実施した広報活動の反省点や課題などを見つけましょう。そして、改善策を検討し、新たな戦略プランに落とし込みます。

広報戦略プランを立てるポイント

広報戦略のプランを立てる際には、意識したいポイントが4つあります。各ポイントについて詳しく解説します。

スキルを習得する

広報戦略の作成や実施にはさまざまなスキルが必要です。広告戦略に携わるには、以下で紹介するようなスキルが求められます。

・戦略的かつクリエイティブな思考力
・プロジェクトのマネジメント能力
・効果的なプレスリリースを作成できるスキル
・ファクトブックを作成するスキル

属人化しない広報活動

広報戦略を立案する際に起こりやすい問題が「属人化」です。属人化とは、特定の業務を特定の社員だけが担当することで、担当者だけにしかわからないシステムなどができてしまうことです。広報戦略は属人化が起こりやすいため、マニュアルを作成する、フローをドキュメント化するなど、誰でも広報活動が行える環境づくりを行いましょう。

柔軟なプラン変更

広報戦略には、柔軟性も重要です。広報戦略のプランを立てたからといって、すべてをプラン通りに実施するわけではありません。プランは社会情勢や環境などの影響を受け変化するため、柔軟に対応していきましょう。企業の目的や方針もさまざまな要因で変化するため、その都度プランを調整することが大切です。

継続的な効果測定・改善

広報戦略を実施するうえでは、PDCAサイクルの習慣化が大切です。広報活動は継続的に行うことで効果を発揮するため、プラン作成・実施・効果測定・改善というサイクルを回して、自社の利益につながる広報活動を目指しましょう。また、効果測定の方法で悩むケースも多いため、プランを立てる段階で具体的な方法の検討も欠かせません。

広報戦略における効果測定の方法

広報戦略における効果測定の方法としては、「広報費換算」と「SNSのリーチ数」が挙げられます。広報費換算とは、広報活動によって掲載された記事や報道などの価値を測定した数値です。広告による認知や露出などの効果を、広告枠の購入費用に置き換えて測定します。

SNSのリーチ数とは、投稿内容を閲覧した人数を測定した数値です。リーチ数が多いほど閲覧人数が多く、広告効果が高いと判断できます。

広報戦略に成功した事例

最後に、広報戦略に成功した「全日本空輸株式会社」と「スターバックスコーヒー」の例を紹介します。

全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社では、SNSを駆使した広報戦略を行っています。TwitterやFacebookなどに航空機の写真を掲載するだけでなく、「恋人感」をコンセプトとした共感を得やすい写真を投稿することで、消費者の心を掴んでいます。また、各地で働くスタッフの笑顔があふれる写真を投稿し、安心感や信頼感を演出するなどの広報戦略も行っています。

スターバックスコーヒー

スターバックスコーヒーでは、広告を打たないというブランディングによって成功を収めています。特に、インナーブランディングに力を入れています。インナーブランディングとは、スタッフに対して企業価値や理念を浸透させる方法です。スタッフそれぞれがスターバックスの企業価値を体現・提供し、ファンを増やすことに成功しました。

まとめ

広報戦略とは、ブランディングを目的とした広報活動を行う際に、プランを立てて実行することです。広報戦略を行うことで、時代にあったブランディングや広報活動の効果が高まるなど、さまざまなメリットが得られます。

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