広報(PR)とブランディングの意味・違い|施策を成功に導くためのポイントを解説

2022.12.13 広報ノウハウ

広報(PR)とブランディングの定義や、それぞれがもつ役割は異なります。正しい知識を身につけて施策を実行すれば、達成したい成果を収めることも可能です。この記事では、広報に携わる担当者・責任者に向けて、広報とブランディングの意味や役割、それぞれの違いなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

BtoB企業における広報の必要性

BtoB企業の広報活動は、優先度が低くなる傾向にあります。たとえば、プレスリリースを配信する機会が得られない、リソース不足で広報部門に専任者を置くことができないなどの理由が挙げられます。しかし、BtoB企業のブランディングを成功に導くためには、企業の規模にかかわらず、戦略に沿った広報活動が不可欠です。

 

ブランディングに注力できる

BtoB企業が正しく広報活動を実施すると、社内外に自社のブランドを浸透させられます。ブランディングによって、自社のブランドイメージを広く普及させられるだけでなく、コミュニケーションも促進できます。ただし、ブランドを浸透させるためには、一貫性のある情報を持続的に発信し続けることが大切です。結果的に、競合他社との差別化につながります。

 

ブランディングとの親和性が高い

広報はブランディングとの相性がよく、親和性が高いといわれています。広報活動で利用する媒体を介し、ブランディングを進めることができます。また、デジタル化により、中小企業でも低コストで効率のよい広報活動が可能になりました。なかでも、自社が保有するオウンドメディアに注力する企業が増えています。

 

広報(PR)の定義と役割

広報(PR)とブランディングの定義や役割を知っておくと、それぞれの違いをより理解しやすくなります。ここではまず、広報(PR)の定義と役割を解説します。

 

広報(PR)の定義

広報(PR)とは、企業がステークホルダーに対して、自社を理解し、企業活動に共感してもらうための手段を指します。ステークホルダーは、顧客・従業員・株主・取引先などの利害関係にある人を総称する言葉です。広報(PR)の本来の意味は、公的機関が市民に対して理解や共感を促すための活動を表しています。一般的に広報は、英語の「Public Relations」を略して「PR」と呼ばれています。

 

広報(PR)の役割

広報(PR)は、メディアとの関係を構築したり、従業員とのコミュニケーションを促進したりするなどの役割があります。メディアなどの社外向けには社外広報を用い、従業員などの社内向けには社内広報を実施することが一般的です。社外広報と社内広報の2種類を使い分けて実施することで、社内外に効率よく情報を発信できます。

 

ブランディングの定義と役割

ブランディングにはどのような意味や役割があるのか、以下で詳しく解説します。

 

ブランディングの定義

ブランディングとは、自社のブランドの理想的なイメージを浸透させるために行う活動のことです。具体的には、さまざまなメディア・媒体を利用して効果的な発信を行い、自社の理想的なブランドイメージを広めていきます。ブランディングの目的は、ターゲットが自社に抱く価値を引き上げることにあります。

 

ブランディングの役割

ブランディングは、マーケティング・広告・宣伝における効果を高めやすくする役割を担っています。ブランディングによって自社ブランドの価値が高まれば、商品などの価格設定を引き上げても、売上を下げずに効率よく利益が上げられるようになります。また、新規参入した市場においても、成功率が高まりやすくなるでしょう。

 

広報(PR)とブランディングの違い

広報(PR)とブランディングの違いを正しく理解することが重要です。以下では、それぞれの違いを解説します。

 

ゴールの設定方法の違い

広報(PR)とブランディングの違いは、ゴールの設定方法にあります。広報(PR)で設定するゴールは、顧客との新たな関係を構築することです。一方、ブランディングでは、自社や商品・サービスの価値を高めることをゴールに設定します。このように、広報(PR)とブランディングでは、まったく異なるゴールを設定していることがわかります。

 

設定するターゲットの違い

広報(PR)とブランディングは、ゴールだけでなく、設定しているターゲットも異なります。広報(PR)がターゲットとしているのは、自社の従業員とその家族や、採用する従業員の候補者、顧客、メディアなどの社内外に渡ります。一方で、ブランディングは、自社や商品・サービスに共感してくれる顧客がターゲットです。

 

目的の違い

広報(PR)とブランディングの違いは、それぞれの目的からも理解できます。広報(PR)の目的は、自社の認知度を広く浸透させることにあります。一方、ターゲットに設定した顧客に対して、自社やブランドに対する共感力を高めるとともに、既存の顧客との関係性を強化させることが、ブランディングの目的です。

 

情報の発信方法の違い

広報(PR)とブランディングは、情報を発信する手段も異なります。広報(PR)が情報を発信する際は、自社や第三者のメディア・媒体を利用し、情報を広める活動を率先して行います。一方で、ブランディングは、広報(PR)に比べて受動的です。自社やブランドに共感してくれた顧客が自らの意思で情報を拡散することで、良い口コミや評判などを広めていきます。

 

情報発信による効果の違い

広報(PR)とブランディングは、それぞれの方法で情報を発信した場合、得られる効果にも差がみられます。広報(PR)が得られる成果は、自社に対する信頼度の向上や、口コミなどから自社に対する評価を把握することにあります。一方で、ブランディングが得られる効果は、自社やブランドに対する共感度の向上です。

 

広報(PR)とブランディングの関係性

ここまで読むと、広報(PR)とブランディングは一見異なるもののように思ってしまいがちです。しかし、実は同じ流れの中で施策が実行されています。自社のブランドイメージが広まってこそ、広報活動を成功させることが可能です。効果的に情報を発信できても、ブランドイメージに共感してくれる顧客がいなければ、成果は得られません。

 

広報(PR)とブランディングのどちらか一方がうまくいっても意味がなく、両方を同時進行で実施することで、効果的な広報活動を行えます。だからこそ、広報(PR)とブランディングの関係性を把握するためにも違いを正しく理解することが重要です。

 

広報担当者がブランディングで成果を収めるためのポイント

広報担当者がブランディング戦略によって成功を収めるためには、以下で紹介するポイントを意識しましょう。自社の戦略に役立ててください。

 

どのようなメッセージをターゲットに伝えたいのかを考える

ブランディングを成功させるためには、ターゲットに伝えるメッセージを考えることが大切です。ターゲットにどのようなイメージを抱いてもらいたいのか、どのようなメッセージを投げかければ自社やブランドに対する共感度を高められるのかなど、発信する内容を事前に整理しておきましょう。具体的には、理念・考え方、ビジョン、スタッフ、歴史・ストーリーなどの視点から考えます。

 

どのような広報チャネルを利用するのかを検討する

ターゲットに伝えるメッセージが決まった後は、複数ある広報チャネルの中から、適したものを選択します。広報チャネルを選ぶ際に大切なのは、ターゲットとの接点がある媒体・広告などを利用することです。たとえば、コーポレートサイトやメルマガ、プレスリリース、メディア掲載、ブログ、SNS、社内報などが挙げられます。

 

社内の協力体制・仕組みを整備する

ブランディングを成功させるためには、社内の協力が不可欠です。必要な部署や人材からスムーズに協力を仰ぐためには、社内体制や仕組みを整備しておく必要があります。社内体制の構築や仕組み作りの際は、広報戦略にあわせて行いましょう。また、社外パートナーと連携し、必要に応じて協力し合うことも、ブランディングを成功させるための一つの手段です。

 

まとめ

広報(PR)とブランディングは、目的やゴール・ターゲットの設定などに違いがありますが、同じ流れの中で実行される施策です。どちらか一方だけがうまくいっても、意味がありません。両方を同時進行で実施することで、効果的な広報活動を行えます。

 

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