広報活動で効果測定が必要な理由とは?具体的な指標や方法についても詳しく解説

2022.12.13 広報ノウハウ

広報活動の効果測定とは、自社が取り組んだ広報活動によって得られた成果を検証することです。効果測定は、広報活動をスムーズに行うために重要ですが、効果測定の意義や方法について知識がない人も多いでしょう。

この記事では、広報の効果測定が必要な理由や具体的な方法、指標などを解説します。ぜひ自社の広報活動に役立ててください。

広報活動における効果測定とは

広報活動における効果測定とは、その後の広報の方向性や営業の方法を左右する重要な情報です。できるだけ、効果の出やすい方法を主軸に広報活動を行ったほうが、営業の成果や企業の成長も期待できます。そのためにも、どのような広報活動が効果を出すのかを知る必要があります。

広告とは異なり、広報は成果を示しにくいものです。したがって、広報活動の効果を計測することは難しいものの、施策の効果や予算の検討をするには効果測定が重要です。

広報とは

広報とは、自社やその製品を社会に向けて発信し、認知を広めて自社の業績アップを図る仕事です。広報には「自社と社会の架け橋」「コミュニケーションハブ」「ブランディングの推進」「自社の認知拡大」などの役割があります。

また、マスメディアに自社の商品やサービスに関する情報を提供し、宣伝してもらえるように働きかけるのも広報の仕事です。新製品の発表から新規の採用まで、何かを広める活動全般を広報と呼びます。

広報活動で効果測定を行うべき理由

効果測定を行うことで、広報活動の価値を明確にできます。今後の広報活動に活かすためのデータを集められるのが、効果測定を行う最も大きな理由です。効果測定を行うからこそ、どのような広報活動が自社にとって効果が高いか理解できます。

したがって、広報活動の効果測定は、施策の改善、経営への貢献、社内的な評価向上につなげるために欠かせないものです。効果のある広報活動をもとに顧客の要望を洗い出すことができ、最適な経営戦略を策定できるでしょう。

広報活動の効果測定を行うポイントとは

ここでは、広報活動の効果測定を行う際のポイントについて解説します。

広報活動を測定する指標には「定量」と「定性」の2種類があります。定量とは、数字や数値で表すことができるものです。定性とは、数字や数値で表すことのできないものを指します。これらのうち、広報活動の効果測定において使うべき指標は「定量数値」です。定量数値は、さらにいくつかの種類に分類されます。以下で、具体的な指標について解説します。

指標は3種類に分類する

定量数値は、3つの指標に分類することができます。それぞれについて細かく見てみましょう。

アクション指標

アクション指標とは、広報が行った広報活動や、広報の行動に対して情報の受け手が行った活動の量に関連する指標です。

たとえば、プレスリリースの配信数、配信数に対する開封数、取材の申し込み回数などがアクション指標に該当します。

アウトプット指標

アウトプット指標は、広報がどれだけ露出したかの量を示す指標です。

露出の量とは、広告などの掲載数や広告換算費(AVE)、リーチ数、記事になった数、シェアオブボイスの測定結果などが該当します。また、SNSの投稿数もアウトプット指標のひとつです。

アウトカム指標

アウトカム指標は、広報活動を行った結果、何がどれだけ変化したのかという、変容した量や数を示す指標です。

たとえば、指名検索数、サイトのPV(アクセス数)やUU(訪問者数)、資料請求やダウンロードの数、ブランド認知率などのことをいいます。

段階に合わせて指標を立てる

広報の指標を3分割したところで、現状の広報の段階にあわせて指標を立ててみましょう。そもそも、広報活動は経営課題に紐づいているため、重視する指標は企業の成長段階にあわせて検討することが大切です。

大まかな流れとしては、まずアクション指標を立て、プレスリリースなどの情報発信を行います。次に、情報発信によって得られた結果を確認するために、アウトプット指標を評価します。最後に、検索数、ポジティブな口コミ数など、アウトカム指標を分析します。

効果があった活動は再現できるようにする

広報活動のなかで、効果の高かった施策は再現できるようにします。どの施策について高い効果を得られたかを知るためには、段階ごとの指標に応じた効果測定が非常に重要です。先述した3つの指標のうち、どれかひとつにリソースを割きすぎても、効果測定の精度は落ちてしまうでしょう。

再現性を高めるには、目標の達成に至った経緯や背景を分析することも大切です。また、効果の高い施策についてはノウハウを蓄積すると、再現の土台になるでしょう。

広報活動の効果測定を行う具体的な方法

広報活動の効果測定には、いくつもの方法があります。ここでは広報活動の効果測定を行う方法を具体的に解説します。

SNS

近年重要視されるのが、SNSに関連するものです。SNSは「いいね」をはじめ、投稿した内容が見られた回数、投稿がシェアされた回数などが確認できます。また、SNSから自社サイトへアクセスした数の把握も可能です。

投稿に対してユーザーがとる行動の傾向を把握し、傾向にあった投稿を増やすことで顧客層の興味を惹く確率を上げることができるでしょう。

メルマガ

メルマガは、顧客側が何らかの形で登録し、情報を受信してくれるツールです。リピーターあるいは潜在顧客として、企業にとって重要な客層と捉えなければなりません。

メルマガは、開封率、メルマガ内URLのクリック数やクリック率、顧客の反応をチェックし、開封率の高いタイトル、反応が得られるキーワードなどを分析します。

イベント

イベントあるいはキャンペーンを打ち出すと、顧客の反応が急に良くなることがあります。しかし、反応の良いイベントとそうでないイベントがあることも確かです。

イベントの効果測定をするには、各イベントを打ち出す前後で、売上や顧客の反響などを比較します。数字を使った比較により、自社にあったイベントの形が見えてくる可能性が高くなります。

広告換算費

広告換算費とは、自社製品やサービスがメディアに掲載された映像や記事の価値を測る参考値です。映像や記事が顧客の目に触れた量を測定し、「そのメディアに広告として出稿していたら、いくらかかるのか?」という仮定のもとに、広告費に換算します。

メディアの規模が大きく、たくさんの人の目に触れるほど、同様の広告を掲載したと考えたときの広告換算費は高額となります。

クリッピング

クリッピング数は、メディアに掲載された数のことです。クリッピングとは「切り抜き」のことですが、Web媒体への掲載数も含まれます。

単に掲載された数だけではなく、媒体名、掲載内容、記事の文字数、自社製品やサービスに関連する単独の記事かどうかも分析するとよいでしょう。記事掲載後の、顧客や売上の動きにも着目すべきです。

自社サイトへのアクセス数

自社サイトへのアクセス数は、クリッピングとも関連があります。メディアへの掲載後に、アクセス数や指名検索数の変化を確認することで、メディア露出の効果測定ができます。

指名検索数とは、企業名やサービス名など、自社を示すピンポイントなキーワードで検索された数のことです。この数からは、顧客からの注目度の高さを知ることができます。

問い合わせ数

取材掲載やプレスリリースへの問い合わせは、広報の成果のひとつです。問い合わせだけでなく、資料請求が行われた数も把握するとよいでしょう。

また、問い合わせに至った広告や記事を確認することも大切です。Webメディアの場合は、解析によって流入しているページがわかります。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングにおいて分析するのは、SNS上で行われているユーザー同士の会話です。企業はこれらの会話から、自社の製品やサービスに関するさまざまな意見、広告に対する印象や効果などを把握して、今後の広報活動に活かすことができます。

ソーシャルリスニングは、企業に対する忖度のない率直な意見ですから、好意的かどうかにかかわらず、すべての意見を収集して分析することが大切です。

ヒアリング調査

ヒアリング調査は、メディア・オーディットと呼ばれることもあります。調査対象は、製品やサービスに関して知見のある専門家、社会的あるいは企業経営全般に対する知見のある人、企業からの広報を受け取る立場の記者などです。

製品やサービス、広告から受ける印象や意見を求めるインタビューを行うことで、広報活動の改善につなげられます。

アンケート調査

アンケート調査は、企業や商品に対するイメージ、使い勝手などを顧客へヒアリングする方法です。インターネットアンケート調査会社を利用して、自社のイメージを調査する方法が一般的に行われています。

アンケートの対象者や項目を細かく設定できるため、目的に合わせて内容を決めることも肝心です。

広報活動の効果測定は自社にあう手法で行う

広報活動において、効果測定は非常に重要です。一方で、これが絶対という確立された手法はありません。現状における広報活動の段階や重要視していることなど、各企業により指標が異なるものであるため、自社にあった手法で行うことが大切です。自社にあった広報の効果測定は、さまざまな方法を試しながら見つけましょう。

まとめ

広報の効果測定は、どのような広報活動が自社にあっているのかを知るために、とても重要なものです。ただし、やり方に正解はないため、さまざまな効果測定を試すことで自社にあった方法を見つけるしかありません。

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