プレスリリースの事例からポイントを学ぼう!リリースを行う際の注意点も徹底解説

2022.12.13 広報ノウハウ

プレスリリースは、企業の公式文書として配信するものです。新商品やサービス、研究結果や実績などを広く伝える役割があります。プレスリリースを効果に配信するためには、書き方も重要です。この記事では、プレスリリースの書き方について解説します。事例を紹介しながらポイントや注意点を解説するため、ぜひ参考にしてください。

プレスリリースの作成で迷ったときは

プレスリリースは、自社の新商品やサービス、研究結果などを配信するものです。効果的な内容を配信することで、今後の受注数増加などに影響します。BtoB目的のためのプレスリリースでも、取引先企業だけに配信すればよいというわけではありません。限られた企業だけでなく公に配信することで、新規獲得などにつながる可能性もあります。

 

また、BtoB目的のプレスリリースが、一般の人の目に触れる機会も増えています。そのため、最終的な消費者となるエンドユーザーを意識した内容にすることも重要です。エンドユーザーを意識することで、自社を直接アピールできます。どのような構成にするか迷った場合には、事例を参考にして作成するとよいでしょう。

 

プレスリリース事例その1【導入実績編】

プレスリリースでは、商品やサービスの導入実績を配信するケースもあります。ここでは、サンスター除菌脱臭機「QAIS-air-01」のプレスリリース事例を紹介します。

 

「QAIS-air-01」はサンスターが発売する除菌脱臭機です。株式会社フロンティアにて全施設(15施設277台)、関連施設(3社43台)の合計320台が導入されたというプレスリリースを配信しました。導入実績だけではなく、導入に至った背景や商品の特徴、導入先企業からのコメントなども含めた構成になっています。

 

ポイント

プレスリリースは、「○○社で導入開始」や「導入実績〇万件突破」といった内容を配信する絶好の機会です。導入が決定したプロダクトの内容や導入先などを、必ず明記しましょう。

 

また、導入先企業からのコメントをもらえるとより効果的です。導入先企業からのコメントがあることで、第三者視点から見た商品の特長や魅力などを発信しやすくなり、信頼性が高まります。また、世の中の流れを踏まえたうえで導入経緯を検証したり、説明したりすると、他の企業が導入を検討しやすくなり、新規顧客の獲得につながる可能性があります。

 

注意点

導入実績をプレスリリースする際には、複数社が関わるケースも多いでしょう。その場合には、問い合わせ先を明記しておくことが大切です。プレスリリースから問い合わせにつながるようにすることが重要なため、自社の担当窓口への連絡先を記載しましょう。

 

商品やサービスに興味を持っても、どこに問い合わせすればよいのかわからないと問い合わせにつながりません。そのため、プレスリリースを読んでいる人がすぐに気づくように、わかりやすく記載することが大切です。

 

プレスリリース事例その2【新サービス開始編】

プレスリリースは、新サービスの開始を知らせる絶好の機会でもあります。ここでは、鞄のテレオーダーサービスのプレスリリースを実例として紹介します。

 

1960年から鞄の製造を行っている株式会社昭栄では、「かばん工房 遊鞄01(ゆうほうゼロイチ)」というファクトリーを新設、鞄を1cm単位でテレオーダーできる業界初のサービスとして、プレスリリースを打ち出しました。新設サービス開業と業界初という話題性から、マスコミなどの注目を集めました。

 

ポイント

業界初という内容は、非常に価値のあるニュースなので、注目度が高くなります。実際に、業界初のサービスとしてプレスリリースを打ったかばん工房遊鞄01のニュースは、テレビでも取り上げられています。また、店舗オープンの際には新聞でも取り上げられるなど、メディアからも注目され、新サービスがエンドユーザーの目に触れる機会も増えました。

 

「業界初」「日本初」などのような内容はインパクトがあるため、メディアでも取り上げられやすくなっています。エンドユーザーの印象にも残りやすいため、積極的にアピールするとよいでしょう。

 

注意点

前述したかばん工房遊鞄01のケースでは、プレスリリースの内容に対してニュース性や話題性を強くアピールできたことがポイントとなります。そのため、メディアの目に留まりやすくなったと考えられ、テレビや新聞などに取り上げられたといえるでしょう。

 

プレスリリースのトピックを決定する際には、自社の視点だけではなく記者やメディアなどの視点も考慮することが重要です。メディアが、「このプレスリリースをメディアで取り上げたい」「ユーザーに情報として届けたい」と思えるかどうかを指標にして、トピックを決定するとよいでしょう。

 

プレスリリース事例その3【実証実験の発表編】

新サービスや技術開発などを行っている企業では、実証実験を行っています。プレスリリースでは、実証実験も重要な情報です。ここでは、人流可視化の実証実験結果の発表プレスリリースを紹介します。

 

この実証実験結果はパナソニックによって配信されました。人流可視化のために画像解析技術を活用し、その結果がまとめられたプレスリリースです。具体的には、新宿ミロードモザイク通りで行われた実証実験の内容をプレスリリースとして配信しています。

 

ポイント

実証実験の結果をプレスリリースとして打ち出す場合には、実験開始に至った経緯なども紹介するとよいでしょう。どのような背景があり実験を行うことになったのか述べることで、より身近に感じやすくなり、実験の必要性などもわかりやすくなります。

 

また、実証実験の結果だけでなく、実験によって得られた情報の活用先まで述べましょう。これにより、実験の有効性が伝わりやすくなり、より興味を持ってもらいやすくなります。

 

注意点

実証実験の結果をプレスリリースとして配信する場合、専門的な用語や細かな数字などを扱うケースもあるでしょう。専門知識や用語、細かな数字だけをそのまま載せてしまうとわかりにくいため、表やグラフなどを活用することがポイントです。また、イメージ画像を用意して伝わりやすくすることも重要です。

 

プレスリリースのみでは伝えきれない、より詳細な実験結果や分析などを伝えたいという場合には、特設サイトを用意して、一部を特設サイトに誘導するという方法もあります。

 

プレスリリース事例その4【ユニークな新商品編】

ユニークな新商品を発売する際にも、プレスリリースは活用できます。ここでは、パジャマスーツの新商品発売発表プレスリリースを実例として紹介します。

 

スーツ専門店として知名度の高いAOKIでは、パジャマスーツを発売しました。新型コロナウイルスの流行や働き方改革などで、テレワークの需要が高まったことに着目して、スーツに見えるパジャマを発売、プレスリリースを配信し、そのユニークさと実用性から多数のメディアに掲載されました。

 

ポイント

パジャマスーツのポイントは、時流とニーズに対応している点です。テレワークが浸透したことにより、自宅でくつろぎつつも仕事としてのきちんと感も保ちたいというニーズが高まりました。そのような消費者からのニーズに対応したことで、話題性のある商品だとメディアからも認識されました。

 

商品自体に圧倒的な魅力があったということも、プレスリリースの影響力を高めた要因でしょう。パジャマスーツのプレスリリースは、影響力の強かったプレスリリースを表彰する「プレスリリースアワード」にも選出されており、大きな話題となりました。

 

注意点

新商品やサービスのプレスリリースでは、開発に至った背景やストーリーなども伝えると効果的です。開発の背景やストーリーなどを伝えることで、自社にどのような理念があるのか、新商品でどのようなニーズを満たしたいのかなどがわかりやすくなり、魅力をアピールしやすくなります。

 

また、BtoB情報として発信するプレスリリースの場合、ビジネスとしての面も重視されがちです。そのため、業界自体を盛り上げたい、仲間を増やしたいというような気持でトピックを選定して構成を決定し、情報発信することも重要です。

 

プレスリリース事例その5【企業間提携の発表編】

企業間の提携を発表する場合にも、プレスリリースは活用できます。ここでは、「みんなの体調ノート(アプリ)」と「オムロンヘルスケア」の提携に関するプレスリリースを実例として紹介します。「みんなの体調ノート」では、オムロン製の非接触型体温計TM-101Bと連携して、検温結果の自動リスト化ができるサービスを開始しました。

 

ポイント

みんなの体調ノートのプレスリリースは、連携してできたサービスの使用方法を文章だけではなく、図解で示しています。そのため、非常に内容がわかりやすく、一目でどのようなサービスなのかがわかるようになっています。

 

連携したサービスの使い方をわかりやすく示すことで、同じようなサービス導入を検討している他の企業まで広くアピールできるため、市場を広げることにもつながります。

 

注意点

企業間の連携を発表する際には、商品やサービスの概要はもちろんのこと、連携に至った背景なども簡潔にまとめるとよいでしょう。連携する背景を伝えることで、どのような目的があるのか、何ができるようになるのかなどがよりわかりやすくなります。

 

また、問い合わせ先を明記しておくことも大切です。自社の問い合わせ窓口だけではなく、協業や取材の問い合わせ先なども明記しておきましょう。これにより、市場の拡大につながる可能性が高くなります。

 

まとめ

プレスリリースは受注数増加やユーザーへのアピールにつながる可能性があるため、効果的な構成にすることが重要です。プレスリリースを書く際にはさまざまな事例も参考にして作成しましょう。それでも悩む場合は業者に依頼することも一つの方法です。

 

株式会社Enjinのメディチョクは、16年間のノウハウで培ったメディア企画力が強みです。メディア担当者の生の声が聞けるセミナーも開催しています。プレスリリースの書き方でお悩みの際は、ぜひご相談ください。