プレス リリースの基本的な書き方とテンプレートの基本構成、注意点も合わせて解説

2022.12.13 広報ノウハウ

自社商品や企業活動を広く認知してもらうためには、効果的なプレスリリースの方法を知っておくことが大切です。この記事では、プレスリリースの基本的な書き方、テンプレートの基本構成、注意点などについて詳しく紹介します。押さえるべきポイントを意識しながら、メディアから注目されるようなプレスリリースを目指しましょう。

プレスリリースとは

プレスリリースとは、報道機関向けに自社製品や企業活動についての情報を発信することを目的とした公式文書です。メディア関係者の目に留まり、取り上げてもらうことを目的としています。

 

企業や団体、個人事業主に用いられており、広報担当者、情報元にあたる部門、事業主本人が作成するのが一般的です。プレスリリース配信代行サービスを利用する方法もあります。

 

プレスリリースの作成・発表対象

会社の設立、新製品の発表、事業の拡大方針、役員人事の変更、社会貢献活動の進捗、研究成果の発表など、プレスリリースはさまざまなシーンで活用されています。ただし、従業員など社内関係者のみが必要とする情報は、プレスリリースの対象外です。第三者も興味関心を持つような社会的価値のある情報の発信が求められます。

 

プレスリリースを出すことで期待できる効果

企業としては、プレスリリースを出すことでプロモーション効果、IR効果、PRの構築などが期待できます。報道機関向けにリリースされた発表が、メディアを通じて社会に届けば、多くの消費者の関心を集めることができるでしょう。たとえば、新製品が数多くのマスコミで紹介されることで、多くの反響を得られる可能性があります。

 

プレスリリースとニュースリリース、ニュースレターの違い

プレスリリース、ニュースリリース、ニュースレターは、それぞれ目的、活用方法、発表対象が異なります。ニュースリリースは、プレスリリースをもとに、報道機関に限らず自社のステークホルダーに対しても発信される情報です。

 

ニュースレターは、自社のステークホルダーに対して有益な情報を提供することを目的としています。既存顧客や見込み顧客へ幅広い情報を発信することで、関係性の強化を目指します。

 

プレスリリース|基本的な書き方とテンプレートの基本構成

 

基本的な書き方

プレスリリースは基本的な体裁が決まっています。報道機関には日々多くのプレスリリースが届くため、メディアに取り上げてもらうためには、一定のルールに従って作成することが効果的です。情報はできるだけ端的にまとめることが好まれており、A4サイズ1枚が望ましいでしょう。

 

文書はWordやPowerPointで作成します。参考資料が必要な場合は、別添で用意しておくと内容が伝わりやすくなります。

 

テンプレートに入れ込むべき内容・基本構成

テンプレートに入れ込むべき内容は以下の6点です。

 

 1. レターヘッド(冒頭、ヘッダー、発信元の情報)

 2. タイトルもしくは大見出し(大見出しの下に中見出しの記載も可)

 3. リード文(大見出し、中見出しも場合によって記載する)

 4. 本文

 5. 画像・写真

 6. 連絡先・企業情報(問い合わせ先)

 

主に上記の順番で作成しますが絶対ではありません。たとえば、4と5の順番が入れ替わることもあります。タイトル、リード文、本文、画像・写真については、より伝わりやすいようにテンプレートを変更しながら利用しましょう。

 

メディア関係者の記憶に残りやすくするには、テンプレートは部門ごとに作成するのではなく、社内でフォーマットを統一しておくことがおすすめです。

 

 

1. レターヘッド(冒頭、ヘッダー、発信元の情報)

はじめにレターヘッドを作成します。冒頭、ヘッダーとして、右上部にプレスリリースである旨を記載し、対象である「報道関係各位」の文言を追加します。左上部には企業名ロゴ、日付などの発信元の情報を記載しましょう。

 

2. タイトルもしくは大見出し(大見出しの下に中見出しの記載も可)

タイトルはプレスリリースのなかで最も重要な項目です。タイトルだけで読むか読まないかの判断をされるため、メディア関係者の興味・関心を引くような内容を盛り込みます。簡潔に書くことを意識して、100文字程度で要点をまとめてください。大見出しの下に中見出しを記載することで、伝えたいことがより明確になるため、適宜取り入れていきましょう。

 

3. リード文(大見出し、中見出しも場合によって記載する)

リード文ではプレスリリース全体の要約を端的に記載します。タイトルの補足になっている必要があり、文書全体の基本情報と結論があるとよいでしょう。目安の文字数は500文字程度(2-3行)となっており、場合によっては大見出し、中見出しも記載します。配信代行サービスを利用する場合も、500文字程度の文字数制限が設けられていることがあります。

 

4. 本文

本文では、タイトルとリード文の内容について補足します。5W5Hを意識しながら、簡潔に記載しましょう。重要なことを前半に記載し、8,000文字程度でおさめるとまとまりのある本文となります。ランディングページ(LP)への誘導、参考情報のリンクの記載なども加えると、より多くの情報を相手に伝えることが可能です。

 

5. 画像・写真・図表やグラフ

画像・写真・図表やグラフの挿入は、リリース内容を伝えるための重要な手段のひとつです。視覚的にイメージしてもらいやすいだけでなく、情報の客観性という観点でもメリットのある手段です。画像や図表等は白黒でも意図が明確に伝わるよう、コントラストがはっきりとした高解像度なものを選びましょう。

 

6. 連絡先・企業情報(問い合わせ先)

興味を持ってくれたメディアがいつでも問い合わせできるように、連絡先・企業情報は必ず記載する必要があります。社名、担当部門、電話番号、FAX番号、企業所在地などの情報を記載してください。問い合わせにスムーズに対応できるよう、企業の代表番号ではなく、担当部門の直通番号を載せましょう。

 

プレスリリースの配信手順(準備から配信後までの流れ)

 

1.【配信準備】

配信準備としてプレスリリースを出す目的を明確化します。関係部門が複数ある場合は、しっかりと擦り合わせを行ったうえでプレスリリースを作成しましょう。文書はA4サイズ1枚にまとめますが、必要に応じて参考資料を1〜2枚追加します。参考資料作成時は1枚目の内容を補足、深掘りするような内容を記載してください。

 

2.【配信する】

プレスリリースの配信方法、配信日時を決め、メディア関係者に向けて配信します。配信に関する情報は自社コーポレートサイト内にも掲載するとよいでしょう。配信方法は主に以下の2種類があります。

 

自社でメディアリストを作成して配信する

1つ目は自社で作成したメディアリストをもとに配信する方法です。取り上げてもらいやすいメディア関係者の送付先一覧を作成して、メール・FAX・郵送などで情報を届けます。リストの作成に手間がかかりますが、ターゲットを絞って配信することで取材につながる可能性はアップします。社会性の高い情報は、各地域にある記者クラブに投稿する方法もおすすめです。

 

配信代行サービスを利用して配信する

2つ目は配信代行サービスを利用する方法です。メディア関係者とコネクションがなくても、プレスリリースを配信できるため、設立したばかりの会社や新しいプロジェクトを立ち上げた場合などに効果的です。デメリットとしてはコストが発生するケースがあること、膨大な情報のなかに埋もれてしまう可能性があることが挙げられます。

 

配信に適した日時は内容や対象によって異なる

プレスリリース配信日時に適したタイミングは、リリース内容やターゲット層によって異なります。基本的には平日の朝一、午後一、夕方に配信すると読んでもらいやすくなるといわれています。リリース内容によっては、通勤時間帯に配信タイミングを設定するケースもあります。

 

3.【配信後】

プレスリリース配信後の対応も重要です。報道機関から問い合わせが入った場合、スムーズに取材対応できるよう体制を整えておきましょう。定期的に配信後の効果測定を実施し、配信方法や配信タイミングを見直すことで、プレスリリースの精度を向上させることが可能です。

 

プレスリリースを書く際のポイント・注意点

メディアには毎日大量のプレスリリースが届きます。その中で取り上げてもらうには、どのようなことに注意しながら書いたらよいのでしょうか。ここでは、プレスリリースを書く際のポイントと注意点を6つ紹介します。

 

メディア担当者の読みやすさを意識して作成する

専門用語、社内用語、過剰な敬語を使わずに、誰が読んでもわかるように書きましょう。ただし、専門用語は情報を届けたい相手によっては使う場合もあります。また、1リリースに1テーマが基本です。画像や図表等も効果的に使うことで、説得力のある内容となります。配信前には、誤字・脱字・変換ミス・文法チェックをしてください。

 

タイトルに盛り込むべき内容

タイトルには具体的な数字やデータ、キャッチーなワードや時事性の高い要素を盛り込みます。数字や客観性のあるデータを効果的に使うことも意識しましょう。キャッチーなワードや時事性の高い要素を厳選して、文書の要点を短く端的に伝えてください。

 

ルールに則って作成する

著作権、肖像権、商標法、不正競争防止法などのルールは遵守してください。文章を転載する場合は、必ず著作権者の許可が必要です。文章を引用する場合は、全体の2〜3割にとどめて、引用元を明記しましょう。人物写真についても、許可を得たうえで掲載します。

 

内容を確認する

配信前に企業イメージを失墜させるような内容になっていないかを確認します。プレスリリースでは誠実な姿勢で情報公開を行いましょう。客観的データに基づく事実のみを記載することも重要です。

 

プレスリリースは発表の種類ごとに内容を変える

具体的なテーマが決まっているときは、テーマ別に内容を変えて作成します。メディア媒体ごとに最適化できるよう、複数のテンプレートを使い分けることもおすすめです。

 

プレスリリースは必ず報道やメディアで使われるわけではない

メディアや報道機関が求めている情報であれば使われる可能性が高まりますが、それらは必ず採用されるわけではありません。配信時期や社会情勢にも大きく影響されます。最後まで読まれるとは限らないため、優先度が高い順に記載することもポイントです。問い合わせにつながるような、内容の濃いプレスリリースを作成する必要があります。

 

プレスリリース|成功事例を参考に作成することがおすすめ

基本的な書き方、テンプレートの基本構成を守ることと合わせて、プレスリリースの成功事例を参考に作成することもおすすめです。目的やターゲットをしっかりと定義することで、特色を押し出して作成することができるでしょう。

 

まとめ

効果的なプレスリリースを作成するためには、ルールに則って端的にわかりやすく記載していくことが重要です。社内で統一したテンプレートを作っておくことで、手間を軽減できるだけでなく、メディア関係者の記憶に残りやすくなるでしょう。

 

メディチョクではプレスリリースをはじめ、広報活動に関する幅広いサービスを提供しています。16年間のノウハウで培ったメディア企画力が強みです。プレスリリースを活用した情報発信に興味がある方はぜひご活用ください。