広報の企画書を立案する際に必要な視点や具体的な方法・気にすべきポイントも解説

2022.12.13 広報ノウハウ

広報の業務を行ううえで、企画書の作成は不可欠です。しかし、企画書をどのように作成すべきかや記載すべき項目がわからないという人もいるかもしれません。この記事では、広報で企画書を作成する際の具体的な方法やポイントなどを解説します。また、企画書を作成する際に必要な視点なども解説するため、ぜひ役立ててください。

広報が企画書を作成するタイミングとは

企画書を作成するにあたって、最適なタイミングを把握しておくことは不可欠です。ここでは、広報における企画書の役割や必要性、作成するタイミングを解説します。

 

広報が作成する企画書とは

広報で作成される企画書は、実現したいアイデアやプロジェクトを提案するために必要な情報を、わかりやすくまとめる役割を担っています。文字だけでなく、画像や根拠となるデータなどが示される場合が一般的です。広報で企画書を作成する目的は、アイデアだけで終わらせず、次の行動を促すことにあります。

 

広報における企画書の必要性

企画の成功は、企画書の内容にかかっているといっても過言ではありません。なぜなら、企画書が承認されなければ、企画を実現できないからです。企画に賛同してもらうためには、具体的な過程やスケジュール、費用対効果などの内容をまとめる必要があります。

 

なお、企画書と提案書は混同されがちですが、提案書は顧客の課題を解決するための文書です。

 

広報で企画書が必要とされるタイミング

広報で企画書の作成が必要になるタイミングは、自社の情報を取り上げてほしいメディアに向けて提案資料を送る場合と、自社でのイベント開催や社内報を作成する場合などがあげられます。たとえば、企画書には提案する内容や背景、具体的なスケジュールなどがまとめられているため、メディアに提案資料を送ることに適しています。

 

広報の企画書に記載すべき項目

広報で企画書を作成する際に何を記載すればよいのか、必要な項目を以下で解説します。

 

タイトル

タイトルは、一目見ただけで何をテーマにした企画書なのかがわかるように、言葉を選ぶ必要があります。タイトルには読み手の関心を引く役割があるため、キャッチ―な言葉を用いることが不可欠です。しかし、企画書の内容をすべて伝えようと長いタイトルになると、かえってわかりづらくなるため、短く簡潔に記載しましょう。

 

目的・背景

企画書には、提案に至るまでの経緯や実施する目的などを記載することで、企画の必要性をアピールしやすくなります。説得力をもたせるには、現状を分析したデータを根拠に示すことが有効です。たとえば、社会情勢の変化や業界の動向(外部要因)と、社内における専門性などの変化(内部要因)の両方を分析しましょう。

 

企画の詳細内容

読み手に伝える情報に抜けや漏れがないようにするには、誰に・何を・どのように提案するのか、具体的な説明を行うことが重要です。また、市場調査や現状分析の結果、トレンドなどを根拠にすることで、読み手の納得感を得やすくなります。さらに、調査や分析の結果を踏まえた対策まで提案すれば、企画の賛同者を増やせるでしょう。

 

実施計画

実施計画は、企画の提案後の具体的な計画を記載する項目です。企画の進め方や実施する時期、期間などがわかるように明記しておきます。具体性のある実施計画を立てておかなければ、読み手の不安感をあおってしまう可能性があります。実施計画には、誰が読んでもわかりやすいスケジュールを記載するようにしましょう。

 

企画の実施にかかる収支の予測

企画書には、企画を実施した場合の収支の予測を記載しておく必要があります。読み手は、企画を実施するまでにいくら投資しなければならないのか、実施によってコストを回収できる時期はいつなのか、結論を求めています。読み手が納得できるような現実的な収支予測を立てなければなりません。過去の実績や提案する企画に似た事例を引き合いに出すことも有効な手段です。

 

読まれる広報の企画に必要な視点

広報が作成する企画書を読み手に読んでもらうためには、主に3つの視点をもつことが大切です。それぞれの視点について解説します。

 

誰に・何を伝えたいのか

広報が企画書を作成する際は、ターゲットは誰で、どのようなメッセージ・思いを届けたいのかを考える必要があります。誰に・何を伝えるのかを明記し、ターゲットに喜んでもらえるような企画でなければ実施する意味がありません。企画書を作成する前に、ターゲットにどのような訴求をするのかを考えておきましょう。

 

自分が興味をもてるか

企画書は、自分が興味をもてるテーマかどうかを考えておかなければなりません。どんなに素晴らしい企画を提案できたとしても自分が興味をもてなければ、熱意をもって読み手の関心を引くことができないでしょう。企画を検討する際は、自分が読みたい・おもしろいと思えるものを選びます。よいアイデアが浮かばないときに試してみましょう。

 

読み手に寄り添えるテーマになっているか

企画書のテーマは、読み手に寄り添えるものであることが重要です。企画書は本来、自分がやりたいことを提案するためのものではありません。企画に関する知識をもっていない人の理解や共感を得られるかどうか検討しましょう。企画書を作成する際は、読み手が見やすく、納得感のあるデザインになっているのか確認してみてください。

 

広報における企画書の5つのポイント

広報で企画書を作成するために理解しておきたい5つのポイントを解説します。

 

1.目的やゴールを設定する

目的には、メディアから取材を受ける、オウンドメディアの認知度を高めるなどが例にあげられます。ゴールを設定しなければならないのは、企画の実施後に行う評価や振り返りの際の指標になるからです。目的やゴールを設定せずに企画書を作成すると、作成者の主観や勘に頼った内容になる可能性があるため注意が必要です。

 

2.ターゲットのニーズを把握する

目的とゴールを設定したら、ターゲットのニーズを分析して把握します。ニーズには、顕在的ニーズと潜在的ニーズの2種類があります。顕在的ニーズとは、ターゲットが自分で理解している欲求のことで、潜在的ニーズはターゲットが気づいていない欲求のことです。ターゲットのニーズを把握するうえで、フレームワークの活用が有効です。

 

3.独自性を取り入れる

企画書には独自性を取り入れた内容を記載しましょう。ほかの企画書にはないオリジナリティのある企画を提案しなければ、ターゲットの関心を引くことはできません。独自性のある企画を立てれば、競合他社の企画と差別化できます。また、独自性のある企画は、自社への理解を深めて、他社との比較をすることで見えてくる場合があります。

 

4.役割の分担を決める

企画を実現するためには、必要な役割を洗い出し、社内外の関係者の分担を決めておきましょう。誰が何をするのかが明確であれば、企画を実施する際に連携がスムーズになります。役割の分担を決める場合は、営業担当者やマーケター、編集者などの部署を超えた人材に協力をあおぐとよいでしょう。

 

5.余裕のあるスケジュールを設定する

企画書に記載するスケジュールは、十分な時間を確保しましょう。スケジュールを立てる際は、企画の立ち上げから実施するまでの計画を詳細に洗い出しておきます。企画を実施するまでにトラブルが発生したり、社内環境が変化したりしてスケジュールに遅れなどが出ると、取材の機会を失ってしまうかもしれません。想定外の事態を仮説に入れて余裕のあるスケジュールを設定しましょう。

 

広報の企画例を紹介

ここでは、広報が企画を立てる際に参考になる例を紹介します。企画出しの際に役立ててください。

 

1.旬な話題を取り上げる

企画には、季節やトレンドにあわせた旬な話題を取り上げるようにしましょう。たとえば、社内報を作成するなら、入社式や主催するイベントの活動報告などを取り上げることも一つの方法です。

 

2.企業活動を紹介する

企業活動の紹介も、企画の提案に有効です。企業活動の紹介は、社内外の人に自社の活動を知ってもらうきっかけになります。新商品・新サービスの紹介や商品開発までのストーリー、環境に配慮するための活動内容、地域のボランティア活動への参加報告などがあげられます。

 

3.社会の流れにあわせた話題を取り上げる

企画出しの際は、社会情勢を考慮した話題を取り上げましょう。タイムリーな話題にからめて企画を提案すれば、読み手の興味を引きやすくなります。たとえば、業界で注目されている話題や課題・問題点、自社が手がける事業の優位性などが有効です。

 

4.読み手に役立つ情報を発信する

読み手を意識した企画は、お役立ち情報や暮らしなどで参考になる情報を発信するのにおすすめです。例として、新商品の告知やイベント・活動の一般参加の募集、地域のお役立ち情報などがあげられます。

 

5.社内のスタッフを紹介する

社風などを知ってもらうために、社内のスタッフを紹介することも有効な手段です。スタッフの人柄を押し出した企画にすることで、ターゲットが自社に親しみをもちやすくなるでしょう。ほかにも、会長・社長のインタビューや対談、取引先を交えた座談会などがあります。

 

まとめ

広報が企画書を立案する際は、誰に・何を伝えたいのか、自分が興味をもてるテーマか、読み手に寄り添えている内容か、3つの視点を意識することが大切です。また、メディアをターゲットにする場合は目的やゴールを明確にし、独自性のある企画を立てましょう。

 

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